ハンガリー、ロシア外交官10人を国外追放 両国関係が悪化するなか

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ポール・カービー欧州デジタル編集長、ニック・ソープ記者(ブダペスト)
ハンガリーのオルバン・アニタ外相は8日、ロシアの外交官10人に国外退去を命じたと発表した。「容認できない」活動に関わったためとしている。
オルバン外相は、「この決定はハンガリーの安全保障と主権を守る」とソーシャルメディアに投稿した。詳しい説明はしなかった。
ハンガリーは長年、オルバン・ヴィクトル政権下で、ロシアと最も緊密な欧州連合(EU)の国とみなされていた。しかし、今年4月の総選挙でオルバン氏が率いていた与党が敗北すると、新政権は、クレムリン(ロシア大統領府)への友好姿勢を反転させた。
オルバン外相は、外交官追放の決定は「ロシアとの外交関係の断絶を意味するものではない」とした。
一方、ロシア外務省の報道官は、「反ロシア的な動きへの対応は、厳しく、痛みを伴うものになる」と述べた。
ハンガリーのマジャル・ペーテル首相は、自分が率いる政党「ティサ(尊重と自由)」が4月に政権を握った直後から、ロシアとの「現実的な」関係を約束してきた。首相と外相は共に、ロシアに対し、ウクライナでの戦争を終わらせるよう求めている。
5月には、ハンガリー系住民の多いウクライナ・ザカルパッチャ州に対するロシアの大規模ドローン攻撃に抗議するため、オルバン外相がロシア大使を呼び出した。2022年にロシアによるウクライナ本格侵攻が始まって以降、前外相がロシア大使を呼び出したことはなかったと指摘されている。
そして先月、マジャル氏は、前政権の与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」の政策から正式に決別。新しい指針を発表し、ウクライナにおけるロシアの行動について、「ハンガリー、ヨーロッパ、国際秩序に対する脅威となっている。さらに、ザカルパッチャ州に住むハンガリー系の少数派を深刻な危険にさらしている」と明確に述べた。
ロシアは強く反発
ロシアのエフゲニー・スタニスラヴォフ駐ハンガリー大使は、オルバン外相が「相互尊重とルール順守に基づく必要な対話」を継続するとの意向を示したことに対し、激しく反発した。
同大使は、ハンガリーが約束した実務的な協力は全く無意味だったと不満を述べ、ハンガリーの「極めて非友好的な措置は、前例も根拠もないエスカレーションを引き起こす」と付け加えた。
マジャル氏が首相に就任する前、ハンガリーは長年にわたり、安価なロシア産原油を輸入する必要性などから、ロシアとの緊密な関係の維持を重視してきた。オルバン前首相の政権は、EUによるウクライナ支援に反対し、ロシアに対する制裁の実施を繰り返し先延ばしさせてきた。
4月の総選挙を前に、ロシアの独立系調査報道サイト「アゲントストヴォ」は、ブダペストにあるロシア大使館の職員47人のうち、15人がロシアの情報機関と関係があり、別の6人も関係があるかもしれないと報じた。
ハンガリーの対外情報機関で副長官を務めたテルケシュ・アンドラーシュ氏は、総選挙の前から「ロシアのスパイ活動」について捜査は進んでいたが、オルバン前政権は対策を阻止したのだとBBCに話した。
在ブダペストのロシア大使館は、ロシア軍情報部の将校3人がハンガリーの選挙に影響を与えるためにブダペストを訪れたとする報道が出ていることについて、虚偽だとして否定した。
ロシアはこれまで、大使館がスパイ活動に利用されているとの見方を一貫して否定してきた。だが、2022年以降、ヨーロッパ各地で計数百人のロシア外交官が追放されている。ロシアも同様の対応を取っている。
テルケシュ氏は、目下の焦点は、ロシアがどう対応するかだとBBCに話した。「もし報復としてハンガリーの外交官10人がモスクワから追放されれば、モスクワにあるハンガリー大使館は事実上、閉鎖されることになる」。















