ルノワールの絵画が盗まれる、フランス南部の美術館

動画説明, 仏ルノワール美術館の盗難事件、今わかっていること
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マイケル・シールズ・マクナミー記者、ティファニー・ワートハイマー記者

フランス南部の美術館で8日、印象派のフランス人画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの絵画2点が盗まれた。

カーニュ=シュル=メールにあるルノワール美術館に8日早朝、2人組の窃盗犯が侵入し、絵画4点を盗んだ。同市のブリアン・マッソン市長によると、2人は逃走時、美術館の庭に2点を落とした。

狙われた4点は合わせて900万ユーロ(約16億円)の価値があるとされる。ヨーロッパでは近年、美術品の強盗事件が相次いでおり、美術館や画廊のセキュリティー問題に注目が集まっている。

マッソン市長によると、監視カメラの映像には、犯人らがフェンスを切断して美術館の庭園に侵入する様子や、その後、絵画の額縁を固定している構造物を切り裂く様子が映っていた。

現地時間午前5時48分に警報が鳴り、5分以内に警察が現場に到着した。犯人らは警報を聞いて現場から逃走したという。

市長は記者団に対し、窃盗犯らは「十分な装備」を備え、美術館の体制を詳しく把握している様子だったと話した。「ヘルメット、手袋、コンバットギアを着用し」、「電動ナイフと弓のこ」を所持していたという。

捜査員が現場で、ジッパー付きの袋を2枚発見した。これらは容疑者のものだった可能性がある。

金色の額縁に入った絵画の写真が2枚並べられている。どちらも油彩画で、左側の絵には、井戸で水をくむ若い女性の姿が描かれている。右側の絵には、白いドレスに青い腰布を巻いた女性がソファに座っている様子が描かれている

画像提供, Musée Renoir

画像説明, ルノワールの「井戸端の若い女性」(左)と「コロンナ・ロマーノ夫人の肖像」は、今も行方が分かっていない

行方不明となっているのは、「コロンナ・ロマーノ夫人の肖像」(1910年)と「井戸端の若い女性」(1886年)の2点。

一方、「ステファン・ピション夫人の肖像」 (1895年)と「読書するココ」(1905年)の2点が庭園に「放置」されていたが、現在は回収されたと、マッサン市長は説明した。

「ルノワール美術館への攻撃は、カーニュ=シュル=メールの歴史とレガシーの一部を攻撃することに等しい」と、市長は記者団に語った。

「これはルノワールの作品だ。値段がつけられないほど貴重なものだ。そんな風に売ることはできない」

金色の額縁に入った絵画の写真が2枚並べられている。どちらも油彩画で、左側の絵には、机にひじをついて本を読む長髪の子どもの姿が描かれている。右側の絵には、黄色いドレスの女性の腰から上の姿が描かれている。

画像提供, Musée Renoir

画像説明, 「読書するココ」(左)と「ピション夫人の肖像」は、美術館の庭に落ちているのが発見された

ルノワール美術館は、ルノワールの作品を12点所蔵している。

1960年に開館したこの美術館は、ルノワールが1919年に死去するまで住んでいた建物を使っており、画家のイーゼルや車椅子をはじめ、写真や手紙など、多くの所有品が展示されている。

先月には、イタリア・シチリア島の美術館からルネサンス期の絵画4点が盗まれた。

「今回の事件はカーニュ=シュル=メールだけでなく、美術館の保護に関する警告となるべきだ。美術館は今、美術品を標的とした新たな形態の組織犯罪に直面している」と、マッサン市長は警告した。

マッソン氏は、フランス政府に対し、ますます組織化され、執拗になっている犯罪者から美術品を守るため、地方自治体や美術館への財政支援を増やすよう求めた。