ホワイトハウスのイベントで狙撃やドローン攻撃を計画か FBIが5人逮捕

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米司法省は16日、ホワイトハウスで14日に開催された総合格闘技のイベントで要人らを襲撃する計画があったとし、連邦捜査局(FBI)がこれを未然に防いで男性5人を逮捕したと発表した。
ホワイトハウスは14日、米建国250周年の記念行事の一環として、南側の芝生庭園サウス・ローンに設置された「ザ・クロー」と呼ばれる屋外アリーナで、総合格闘技アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)の試合を開催した。招待制のこのイベントには推定4300人が来場。付近から約8万5000人が観戦した。
14日はドナルド・トランプ大統領の80歳の誕生日で、イベントには大統領も出席した。
トランプ氏は16日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)出席のため訪問中のフランスで、この襲撃計画について質問されると、「それについては聞いていない」と述べた。
検察当局によると、計画には、爆発物を搭載したドローンで近くの建物を攻撃したり、「重要標的」に向けて発砲したりすることが含まれていたという。
裁判所の文書によると、計画ではドローンを使ってパニックを引き起こし、逃げ惑う群衆を狙撃者らのいる方へ誘導することを狙っていた。その後、攻撃の「第2波」がホワイトハウスの門に突入する予定だったという。
FBIのカシュ・パテル長官は16日、「複数州にまたがる捜査活動」についてソーシャルメディアに投稿。「計画されていたとみられる攻撃は完全に阻止された」とした。
司法省は4州で計5人を逮捕したと発表。全員を殺人共謀罪で起訴したとした。4州はオハイオ、カリフォルニア、ミズーリ、ネブラスカで、5人の年齢は19~32歳。
検察当局は起訴状で、被告らについて、「極端に宗教的で反政府的な感情を表明していた」とみられるとした。
ネブラスカ州で逮捕された被告(31)に関する裁判書類によると、このグループは計画で、トランプ氏、J・D・ヴァンス副大統領、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、実業家イーロン・マスク氏、数人の議員らを標的として想定していたとされる。ただ、全員が今回のイベントに出席したわけではない。
検察当局によると、グループは富裕層や政治家ら「重要標的」を銃撃することで、革命を「引き起こす」考えだったという。被告らは特に、「政府の腐敗、エプスティーン文書の取り扱い、地域社会の水資源を奪っているデータセンター、その他の政府の措置に対する不満」について議論していたという。
FBIの文書はグループのメンバーらについて、アメリカが「誤った方向に向かっていると信じて」おり、「アメリカを守る」ことを望んでいたと記述。「アメリカを再建するため、まず解体する必要があると信じていた」とした。
母親の通報から発覚
今回の計画は、オハイオ州で逮捕された被告(19)の母親が、息子による銃器の大量購入や、元軍人らで構成しキリスト教を基盤としていると主張するグループとのオンラインでのやり取りについて懸念し、今月10日に地元当局に通報したことから発覚した。
FBIの文書によると、この19歳の被告は11日のFBIの事情聴取で、計画に関わったことを認め、グループのメンバーらが3月ごろからTikTokのグループ「Vanguard of the Old」を通じて連絡を取り合うようになったと話した。一部の裁判文書は、TikTokのグループ名を「Vanguard of the Old Republic」としている。
このグループが、より大規模で確立された組織と提携しているかは不明。19歳の被告は捜査当局に対し、メンバーらは主にTikTokを通して募集されたと話したという。
検察当局によると、メンバーらによる「審査」を通過した者は、暗号化メッセージアプリのシグナルでのチャットに移行した。メインのチャットには約19人が参加し、役割や所在地に基づく4~5人規模のチャットもあったという。
裁判所の文書によると、被告らは、狙撃予定地点やドローンの発射地点を明示した首都ワシントンの地図を配布していたという。地図では、潜在的な標的として電力網が特定されていたという。裁判所の文書には、戦術装備や武器、地図が写ったソーシャルメディアの投稿の画像が含まれている。
司法省によると、各被告は殺人共謀罪で有罪とされた場合、最高で終身刑および25万ドル(約4000万円)の罰金が科される可能性がある。
今月29日に予備審問が予定されている。
米首都で続く騒動
ワシントンでは2カ月前、トランプ氏も出席したホワイトハウス記者協会の夕食会で発砲事件が発生した。1カ月前にも、ホワイトハウスの警備チェックポイントの近くで発砲があり、大統領警護隊(シークレットサービス)が発砲したとみられる男性を射殺した。
ミシガン州立大学のエリカ・フランツ教授(政治学)は、アメリカで政治的な暴力が増加傾向にあるとBBCに説明。「(暴力は傾向として)周期的なもので、一つの暴力行為がしばしば別のものを招く」と述べた。
「テロリズムとテロ対策研究のためのナショナル・コンソーシアム(START)」の調査では、アメリカで標的型暴力は2024年から2025年にかけて30%以上増加したという。
フランツ教授は、「社会には、あまり意味をなさない陰謀論や過激な見解を唱える、不満を抱えた人々が常に存在する」としたうえで、「私は具体的な動機よりも、人々を社会の周縁へと追いやる社会的要因をより懸念している」と述べた。







