プーチン氏に批判的なロシア人アーティスト、ポーランドで射殺される

ソヴィエト連邦時代のバッジがついたロシアの伝統的な黒い帽子をかぶり、黒いフレームのめがねをかけ、青や赤などの勲章がついたジャケットを着た、あごひげを生やした男性が、大きな額縁を胸の前に抱え、カメラの方を見ている。後ろには白っぽい壁の建物や緑の木々、黒い柵が見える

画像提供, Facebook/Semyon Skrepetsky

画像説明, 射殺されたロシア人アーティストのセミョン・スクレペツキー氏。ポーランドの警察は遺体の身元をすぐには特定しなかった
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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を公然と批判していたロシア人アーティストが15日、ポーランドで射殺された。ポーランドの検察当局が16日に発表した。現地では警察による捜査が続いている。

ポーランド検察によると、殺害されたのはセミョン・スクレペツキー(本名ロベルト・クゾフコフ)氏(44)。15日朝、ベラルーシ国境から約40キロメートルに位置するポーランド東部の町ビャワ・ポドラスカで射殺された。

スクレペツキー氏は、頭部、胸部、背中を計5発撃たれた。現場は、ビャワ・ポドラスカ町内のベラルーシ領事館から約600メートル離れた駐車場だった。

スクレペツキー氏はプーチン氏、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領、ロシア・チェチェン共和国の指導者ラムザン・カディロフ氏といった政治家の風刺画で知られていた。

ポーランド東部ルブリン市検察のマルチン・コザク報道官によると、警察は33歳と37歳のベラルーシ人を、ビャワ・ポドラスカのベラルーシ領事館近くで拘束した。この2人がどのような役割を担っていたかについては調べが続いている。

スクレペツキー氏は2021年、刑事訴追の恐れがあるとしてロシアを離れた。その後、人口6万人未満の小さな町ビャワ・ポドラスカで亡命が認められた。

コザク報道官によると、正体不明の銃撃犯がスクレペツキー氏に近づき、2度発砲した。

「被害者が地面に倒れると、犯人は近づいてさらに3度発砲した。犯人は素早く現場から逃走した。ロベルト・Kはその場で死亡した」と、報道官は付け加えた。

現場からは、薬きょう5発と、ゲスタフ・ゲンショウ製の9ミリ・ルガー弾1発が押収されたという。

検視は17日に予定されている。

スクレペツキー氏と面識があったベラルーシ人アーティストのウラジスラフ・ボハン氏は、ポーランドのラジオ放送で銃撃事件のことを知り、すぐに不安を覚えたと語った。「スクレペツキーが住んでいる場所だと思った。とても小さな町だと知っていたので」。

「ロシアの政策を批判」、プーチン氏らを風刺

「被害者は芸術家として公に活動していた。セミョン・スクレペツキーという活動名で、ロシア連邦当局の現在の政策に対する批判を表明していた」と、コザク報道官は述べた。

スクレペツキー氏の風刺漫画には、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンの腕に抱かれるプーチン氏や、ジャガイモの入ったバケツを持つナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーのようなルカシェンコ氏、鼻がブタの鼻になっているカディロフ氏とその息子アダム氏の姿などが描かれている。

スクレペツキー氏はまた、ロシアの反政府活動家で、2024年に収監先の北極圏の刑務所で死亡したアレクセイ・ナワリヌイ氏や、ウクライナの一般人も嘲笑の対象にしていた。スクレペツキー氏のポーランドの住所は、オンライン上で自由に閲覧できる状態だった。作品はメッセージアプリ「テレグラム」や、同氏のユーチューブ・チャンネルに投稿されていた。

スクレペツキー氏には、妻と5人の子どもたちがポーランドにいる。

事件前夜にロシア大使館前で抗議

事件前夜にソーシャルメディアに投稿された動画には、スクレペツキー氏が12日にドイツ・ベルリンのロシア大使館前で開かれた、ロシアの祝日「ロシアの日」に合わせた抗議行動に参加する姿が映っていた。

同氏はプーチン氏やスターリンの風刺画を持ち、ズボンに結びつけたロシア国旗を道路に引きずっていた。

友人のブラト・スブハンクロフ氏は、「私は彼に、『やつらはお前に向かってくるぞ。お前のところへ来る。やつらは来るぞ。どうか備えてくれ、常に警戒してくれ』と、言い続けていた」とBBCに語った。

スクレペツキー氏は行き過ぎたと思うと、スブハンクロフ氏は述べた。「悪い結末になりかねないと何度も彼に伝えた。(中略)でも結局、そんなことをしても無駄なんだと気がついた。彼はそういう男だった。まったく無謀で、頑固な男だった」。