米南部で黒人女性、木につるされ遺体で発見 家族らの訴え経て最初の逮捕

画像提供, Christy Spivey
注意:この記事には衝撃的な内容が含まれています
アメリカ南部ミシシッピ州で先月、黒人女性が木につるされた状態で死んでいるのが見つかった。警察は今週になって初めて、殺人事件の可能性があると発表。11日に容疑者を逮捕した。関与が疑われる別の容疑者らの逮捕もありうるとしている。
タシア・フォーチュンさん(29)の遺体は8月、同州ジャクソンの空き家の敷地内で発見された。
ミシシッピ州には人種差別による暴力やリンチの歴史がある。ジャクソンは黒人住民が多数を占める。それだけに、住民らに不安が広がった。
だが、当局の反応は鈍かった。
フォーチュンさんの母クリスティ・スパイヴィーさんは、地元警察に2週間にわたって何度も連絡し、留守番電話にメッセージを残しもしたが、返事はなかったとBBCに話した。
沈黙と無行動が数週間続いたと、スパイヴィーさんや地元住民は言う。
遺体が発見された状況のおぞましさばかりでなく、事件に関して情報がほとんどなかったことも、地域社会の衝撃と恐怖を拡大した。
スパイヴィーさんは、捜査の遅さと情報不足について訴える文書を当局に送った。
今月8日、その文書が市の公開会議で読み上げられた。同じ日、地元警察は、殺人事件の可能性があると発表した。
米連邦議会の下院議員らも同日、フォーチュンさんの死は続発している「現代版リンチの可能性」があるとし、独立した捜査を求める書簡を連邦捜査局(FBI)と司法省に送った。
議員50人以上が署名した書簡は、「黒人が木につるされた状態で発見されたと数々の州で報告されていることを、極めて強く懸念している」と表明。国内では今年、黒人がつるされた事案が少なくとも10件報告されているとし、2000~2025年に起こったリンチ事件は70件を超えるとした。

画像提供, Christy Spivey
捜査が急展開
こうした経緯の末、ジャクソンの警察は11日、男性容疑者を逮捕したと発表した。
記者会見でラシャル・ブラクニー本部長は、フォーチュンさんは殺害されたと検視官が確認したと説明。容疑者は殺人罪で訴追されるとの見通しを示した。
また、「捜査員が証拠を調べるにつれ、さらなる逮捕者が出る見込みだ」とし、この事件でこれまでに15人から事情を聞いているとした。
本部長は、「本日の逮捕は捜査における重要な進展ではあるが、これで終わりではない」、「この事件は引き続き捜査中だ」と述べた。
フォーチュンさんの家族から不満の声が出ていることについては、「私たちは本件を通して、母親と継父、さらに実父とも、常に連絡を取り合ってきた」とした。
フォーチュンさんの母スパイヴィーさんはBBCの取材に対し、警察から逮捕の知らせを受けて涙が出たと言い、次のように続けた。
「少しだけほっとしたというか、(中略)心がわずかに落ち着いたような気がする」
「(警察が)正しい人物を捕らえたと願っている」
捜査の急展開については、「なんだか圧倒されている」、「ちょっと信じられない。あっという間だった」 と話した。









