イランとイスラエル、攻撃停止を表明 停戦違反あれば報復するとも警告

丘陵部の上方で大きな煙が上がっている。近くには建物などが散らばって存在している

画像提供, SOPA Images/LightRocket via Getty Images

画像説明, イスラエルが占領し、同国からの入植者が暮らすパレスチナ・ヨルダン川西岸地区で爆発があった
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イランとイスラエルは8日、互いに攻撃を停止したと発表した。両国は前日から、4月の停戦合意以来初となる砲撃の応酬を繰り広げていた

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8日、同国が「現時点では」攻撃を停止していると述べた。同時に、イランやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦いは「終わっていない」と強調した。

この少し前には、イラン軍が作戦の停止を発表した。イスラエルに対してすでに「痛烈な報復」を実施したとした。

イラン軍はまた、イスラエルがレバノンに対するものを含め、今後さらに攻撃をした場合、「より厳しく壊滅的な措置」を取ると警告した。レバノンではイスラエル軍が、イランの支援を受けるヒズボラとの戦闘を続けている。

イランは7日、イスラエルがレバノンの首都ベイルートを攻撃したことへの報復だとして、イスラエルに向けてミサイルを発射した。

これに対しイスラエルは8日早朝、イランの軍事施設だとする場所を攻撃した。

ミサイルの先端が野原の地面にめり込んでいる。近くには私服の人が4人ほどいる

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画像説明, パレスチナ・ヨルダン川西岸地区に落下したイラン製弾道ミサイルの一部

イスラエル当局によると、イランは8日朝もイスラエルのエルサレムおよび中部や南部に向けてミサイルを発射した。

イスラエル国防軍(IDF)は、空爆の第2波で、イラン南西部の都市マハシャールの石油化学施設を攻撃したと発表した。イスラエル軍当局者は、この施設で弾道ミサイル用の化学物質が製造されていたとした。

イランの緊急事態機関トップのジャファル・ミアドファール氏は、この空爆によってマハシャールで14人、テヘランで1人が負傷したと、同国のタスニム通信に話した。

トランプ氏が双方に停止求める

こうしたなか、アメリカのドナルド・トランプ大統領は8日、イスラエルとイランに対し、「直ちに『砲撃』をやめる」よう公に求めた。

トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「イスラエルとイランは(中略)直ちに停戦しようとしている! 『和平』に関する最終交渉は進行中だが、無知や愚かさが妨げになる恐れがある」と書いた。

BBCの電話取材でトランプ氏は、自分の意向に反してネタニヤフ氏が攻撃を実施したとの見方を否定した。

トランプ氏は、「いや違う。(イスラエルの砲弾は)すでに放たれていた。すでに放たれていた。すでに標的に向かっていた」と話した。

同氏はまた、イランへの攻撃をやめるようネタニヤフ氏をどのように説得したのかと問われると、「『分別が必要だ』と伝えただけだ。私たちは、非常に強力で、非常に良い合意への署名のすぐ手前まで来ている」と返答。「核兵器はなし、何もなしだ。しっかり常識に沿う必要がある。よい感じだった」と述べた。

トランプ氏はさらにネタニヤフ氏について、「私が彼に何かするように言えば、彼はそうする」と話した。

米ホワイトハウスは、トランプ氏がネタニヤフ氏に電話をかけ、現在の危機について協議したと認めた。

動画説明, トランプ氏はイラン戦争を制御できなくなりつつあるのか
動画説明, トランプ氏、ネタニヤフ氏は「自分の意向に逆らっていない」 BBC編集長との電話で語る

イスラエル当局者は、同国がトランプ氏の要請を受けて、攻撃を停止したと説明した。

米メディア「アクシオス」は、トランプ氏がネタニヤフ氏に対し、もしイスラエルが再びイランとの戦争に戻るなら孤立無援の戦いになる可能性があると伝えたと、トランプ氏が述べたと報じた。

トランプ氏は、「『ビビ、気をつけたほうがいい。でないと、間もなく孤立する』と伝えた」と、アクシオスに話したという。「ビビ」は、ネタニヤフ氏の愛称。

一方、ネタニヤフ氏は8日のテレビ演説で、「イスラエルには完全な自衛権があり、私たちはそれを必要に応じて行使している」とトランプ氏に伝えたのだと述べた。

アクシオスによると、今回のイスラエルによるイラン空爆は、トランプ氏がネタニヤフ氏に報復攻撃をしないよう伝えていたにもかかわらず実施されたという。トランプ氏はこれに先立ち、ベイルート攻撃を控えるよう警告したにもかかわらず、それをイスラエルに無視され、すでに立腹していたのだとされている。

地上で大きな爆発があったことを上空からの画像が示している

画像提供, IDF handout via Reuters

画像説明, イスラエル軍が公開した、イランの防空システムへの攻撃だとする映像の一場面

レバノンで攻撃続く

レバノンでも死傷者が報告されている。同国保健省は、南部ティールで8日にイスラエルの空爆があり、5人が殺害され8人が負傷したと発表した。赤十字によると、負傷者のうち4人は赤十字の救助隊員だという。

ヒズボラは8日朝、レバノン南部にいるイスラエル軍の兵士と車両の一団に向け、多数のロケット弾を発射したと発表した。

イスラエルとレバノンは、アメリカが仲介した停戦で合意しているが、敵対行為の終結には至っていない。ヒズボラはこの合意を拒否し、イスラエルの全面撤退を要求している。

アメリカはここ数週間、イランと多岐にわたる合意に至る可能性を高めようと、イスラエルに対して軍事作戦の縮小を求めている。イランは、合意にはレバノンでの紛争の停止も含めるよう要求している。