イスラエル、レバノン南部の村を空爆 少なくとも12人が殺害されたとレバノン発表

画像提供, Reuters
レバノン保健省は7日、イスラエルが同日未明にレバノン南部の村を空爆し、少なくとも12人が殺害されたと発表した。
南部クファル・ルマン村への夜間攻撃では、集合住宅1棟が破壊され、子ども2人と女性4人を含む11人が殺害された。また、車両を狙った別の空爆で、救急隊員1人が殺害された。
イスラエル軍は、イスラム教シーア派組織ヒズボラのインフラ施設や、武器を輸送していた「複数のテロリスト」を攻撃したと発表した。レバノン国内のイスラエル占領地域で、イスラエル部隊がドローン攻撃を受けたことへの報復だとしている。
レバノン保健省によると、レバノン南部各地に対するイスラエルの攻撃で、この3日間で少なくとも27人が殺害された。
レバノンのジョセフ・アウン大統領は、この「危険な事態激化」によって、アメリカの仲介で6月に合意した停戦が危うくなっていると述べた。この停戦は、イスラエルとヒズボラの紛争を終結させることを目的としたもの。
アウン大統領は国際社会に対し、イスラエルに攻撃停止の圧力をかけるよう訴えた。
イスラエル軍はここ数日、レバノン南部への攻撃を激化させている。
攻撃は、イスラエル軍の占領地域に近い場所で相次いでいる。多数の住民が再び避難せざるを得なくなっている。
今回の攻撃では、ナバティエ地区のクファル・ルマンが標的にされた。ここは、イスラエル軍が「安全地帯」と呼ぶ区域からわずか数百メートルに位置する。
レバノン国営通信によると、最初の空爆は7日午前0時すぎにあり、クファル・ルマンのシュユイヤ環状交差点近くの3階建て集合住宅が破壊された。
レバノン保健省は、この空爆で11人が殺害され、子ども3人と救急隊員1人を含む8人が負傷したと発表した。負傷した救急隊員は、ヒズボラとつながりのある救急組織「イスラム保健協会」所属という。
同省によると、2回目の空爆では、「イスラム・リサラ・スカウト協会」の救急隊員を乗せた車両が攻撃された。救急隊員1人が殺害され、2人が負傷した。同協会は、ヒズボラと同盟関係にあるシーア派組織アマル運動とつながりがある。
レバノン保健省は今回の死者数について、「イスラエルの占領者が医療従事者や子どもを標的にし、国際人道法に対する重大な違反を犯していることを示す、新たな動かぬ証拠だ」としている。
クファル・ルマンの住民サラ・モアレムさん(35)は、自宅で5人の子どもと眠ていたところ、複数の爆発音を聞いたとBBCに話した。
モアレムさんはすぐに子どもたちを連れ、自宅で避難するための防護室に避難した。爆発音とサイレンが収まるまで、そこにとどまったという。
空爆で死亡した人の中には、モアレムさんの夫の遠縁も含まれる。モアレムさんは、死亡した親戚はヒズボラと関係のない民間人だったと強調した。
モアレムさんは、家族の安全を確保するため、沿岸都市シドンへ移る予定だという。
「昼間は人々の往来があり、ほぼ普段通りだ。でも、夜が近づくと事態はひどくなる。子どもたちは怖がっている。私は6~7回目の荷造りをしているところだ。本当にひどい」と、現状を説明した。
「民間人が標的にされるようになった今、子どもたちのために泣くようなことになるのはごめんだ」

イスラエル国防軍(IDF)は、7日未明に「レバノン南部各地にある複数のヒズボラのテロ関連インフラ施設」を攻撃したと発表した。ヒズボラの戦闘員が、レバノン南部アリ・アル・タヘルで活動中のイスラエル部隊に対し、爆発物を搭載したドローン2機を発射したことへの報復だという。クファル・ルマンのすぐ南にあるアリ・アル・タヘルは、イスラエルが設定した「安全地帯」の中に位置する。
「IDFはさらに、クファル・ルマンで武器を輸送していることが確認された複数のテロリストを攻撃し、IDF兵に対する脅威を排除した」とも、IDFは説明。「この攻撃によって、(当該事案に)関与していない複数の人が被害を受けたとの主張については、確認を進めている」と付け加えた。
IDFは6日、別のドローン攻撃への報復としてレバノン南部ナバティエも攻撃。ヒズボラ戦闘員数名を殺害したとした。
レバノン保健省によると、この日のレバノン南部各地に対するイスラエルの攻撃で、11人が殺害された。うち9人はクファル・ルマンの南に位置するナバティエ・アル・ファウカで、女性2人はクファル・ルマンの北にあるアラブ・サリムで殺害された。
ヒズボラは攻撃についてコメントしていない。ただ、同組織所属のアリ・アンマル議員は6日、「抵抗という言語こそが、イスラエルという敵に対して唯一有効な言語だ」と述べた。
レバノン、イスラエル、アメリカの間で結ばれた停戦合意は、ヒズボラの武装解除、イスラエル軍のレバノン南部からの段階的撤退、同地域全体でのレバノン軍の展開を求めている。
しかし、ヒズボラはこの枠組みを拒否している。イスラエル軍の撤退とヒズボラの武装解除を結び付ける条項は、「越えてはならないあらゆる一線」を越えていると主張している。
レバノンは、ヒズボラが3月2日にイスラエルに向けてロケット弾を発射したことを受け、イスラエル・アメリカ対イランの戦争へと引きずり込まれた。ヒズボラの攻撃は、戦争の初日にイランの最高指導者が殺害されたことへの報復だった。
これに対しイスラエルは、レバノン全土で空爆を展開。同国南部の広範な地域に侵攻した。
レバノン保健省によると、今回の紛争が始まって以来、レバノンでは少なくとも4362人が殺害された。その中には、女性395人と子ども259人が含まれる。ただし、レバノン側の死者数は、民間人と戦闘員を区別していない
イスラエル当局は、この紛争でイスラエル兵40人と民間人4人が殺害されたとしている。
(追加取材:ガイス・ソルフ)















