仏ボルドー近郊に山火事広がる、数万人が避難 スペインでもバレンシア州へ拡大

画像提供, Reuters
ヒュー・スコフィールド・パリ特派員、マイケル・シールズ・マクナミー記者
この1週間、ヨーロッパ各地、特にフランスとスペインで山火事が猛威を振るい、33万人以上が避難を余儀なくされている。 仏南西部ボルドー近郊では、消防隊員らが鎮火に向けて奮闘する中、数万人が避難している。 スペインでは26日にかけて夜間、沿岸都市バレンシア近郊に新たな山火事の前線が出現した。
フランスのローラン・ヌニェス内相は、ボルドー近郊の状況は依然として「非常に不利」であり、山火事は同市に向かって「不規則に広がっている」と述べた。ただ、当局は、同市で避難が実施される可能性は低いとした。
26日にかけての夜、ボルドーの南に位置する、ブドウ畑で有名なジロンド県の村々からは約5万5000人が避難した。

画像提供, Lorena Sopena Lopez/Anadolu via Getty Images
ヨーロッパで続く山火事で、フランスは最も被害の大きい地域の一つとなっている。南西部では4万2000ヘクタールが焼失し、第2次世界大戦以降で最大規模の森林火災となった。今年に入ってから、フランス全土では約9万8000ヘクタールが焼失している。
同国南西部では、合計で22万人以上が避難した。
消火活動の指揮官の一人であるニコラス・ブラズ大尉は、火災は「旋風を伴う独自の風」を生み出し、「予測不能で制御不能」だったと述べた。
火災に見舞われた沿岸部の町の一つ、ル・ポルジュの住民たちは、疲弊した消防士たちを支援するため、急きょボランティアネットワークを立ち上げ、食事を提供したり、勤務の合間に休む場所を提供したりしている。
ボランティアの一人、ナタリー・オーゴネットさんは、「人々の多くは、これほど大規模な火災を経験したことがないと思う」と語った。
人口3500人のこの町では、150軒以上の家屋が焼失した。

「この美しい町、その森林、野生動物、そして多くのものを失った人々に対して、私は大きな悲しみを感じている」とオーゴネットさんは語った。
「今は行動を起こすことに集中していて、じっくり考える時間はない。本当に大変なのは、その後の復興段階だと思う」
一方、ジロンド県での救助活動には、スイスのチームを含む2500人の消防士、1500人の軍人、そして約1200人の警察官と憲兵が参加し、避難誘導や救助活動、治安維持活動を支援している。
乾燥した植生と強い風が延焼を招いており、スペインへと続くA63高速道路は60キロメートルにわたって一部閉鎖となっている。
ボルドー空港では26日午後、発着便の案内板で、午後5時15分以降のすべての便に遅延が表示されていた。
英格安航空イージージェットだけでも約28便が遅延し、その多くは新たな発着時刻が発表されず、イギリス行きの便を含む5便が欠航となった。
ボルドー空港はBBCニュースに対し、火災鎮圧における「緊急サービスの活動を円滑にするため」に航空管制上の制限措置が講じられ、すべての民間便が影響を受けていると述べた。
空港側は、遅延がどれくらい続くかは不明だと付け加えた。
また、自転車の世界大会ツール・ド・フランスの最終ステージは、警備にあたっている治安部隊が消防活動に移動したため、26日の走行距離が133キロメートルから89キロメートルに短縮された。
エマニュエル・マクロン大統領は、フランスは「復興する」とし、自身の政権は「必要な限りそこにとどまる」と述べた。
スペインではバレンシア州でも被害拡大
スペインでも火災が拡大し続けており、マドリード州とアビラ県周辺から9万人以上が避難している。
スペインのサラ・アーゲセン環境移行担当相は26日、スペイン国内の火災により約7万7000ヘクタールが被害を受けたと述べた。
また、アビラ県で発生している山火事は、近年の同国史上最大規模だと付け加えた。
周辺地域から避難している住民の中には、マドリードの西のロブレド・デ・チャベラ村から慌てて避難せざるを得なかった50歳のオルガ・コンガチャさんもいる。
コンガチャさんは、家を出るように言われた時「パニックになった」と語った。「泣くべきかどうかわからなかった。本当につらかった」。
26日に医薬品を取りに一時的に自宅に戻ったが、通りは人影もなく、家は灰に覆われていたという。
マドリードを訪れた観光客は、空港付近で火災と煙を目撃したと報告している。ニュージーランドから来たある夫婦は、市内のホテルからも煙の臭いがしたと述べている。
カナダ人観光客のレティシャ・ルーカスさんは、マドリードに到着した瞬間にその臭いがはっきりと感じられ、「喉に強い刺激を受けた」と語った。

画像提供, AFP via Getty Images
26日の夜にかけては、沿岸都市バレンシア近郊にも新たな山火事の前線が出現した。
バレンシア州のフアンフラン・ペレス・ジョルカ知事は25日夜遅く、記者団に対し、「この火災は我々の消火能力を超えている」と述べた。
バレンシア州におけるスペイン中央政府の全権代表、ピラール・ベルナベ氏は、同地域の状況は27日を通して悪化する可能性が高いと述べた。
26日は気温が高く湿度が低い予報で、火災がさらに拡大する可能性がある。

25日には、バレンシア地方で発生した小規模な火災で民間人1人が死亡した。一連の山火事で民間人の死亡が確認されたのはこれが初めてだという。
同じ週の初めには、フランスのボルドー近郊で発生した火災の消火活動中に、消防士2人が死亡した。
スペインのペドロ・サンチェス首相は26日、マドリード西部の被災地を訪問した際に、「困難な時間が待ち受けている」と述べたものの、同日夜には鎮火に向けて「前向きな」兆候があったと付け加えた。
首相はまた、「気候変動の緊急事態に関する大規模な国民的合意が必要だ」と述べた。
マドリード州のイサベル・ディアス・アユソ州知事は、この状況を「地域史上最悪の火災」と表現した。
















